金欠対策!稼ぐ、借りる、貰う、凌ぐ…パターン別解決法

よりお得にキャッシングを使うなら!知るべき「返済方式」の基礎知識

金欠などが理由でキャッシングをする際、「金利」や「利用限度額」といった商品自体のスペックや、「即日融資が可能か」「すぐに審査が終わるか」というサービス面を気にすることは多いと思います。

しかし、お金を借りる際に「返済方式」までしっかりとチェックしている人は少ないのではないでしょうか?

注目すべきポイントとしてはちょっと優先度は低め、といえるかもしれませんが、知っておいて損はない知識です。

種類も多くてややこしいですが、毎月の返済額の中身は気になる方も多いはず。

1つずつ、できるだけわかりやすくローン・キャッシングで利用される「返済方式」について解説していきます!

ローンによく使われる返済方式!「元利均等方式」「元金均等方式」

最初に解説するのは「元利均等方式返済」と「元金均等方式返済」です。

この2つはもう文字列からして「わかりづらい!」と思う方が多いと思いますが、この2つの方式は他の返済方式にも深く関係がある、いわゆる返済方式としての土台、基本とも言えるものです。

どのような違いがあるのかを、早速見ていきましょう。

「元利均等返済方式」は元金と金利が均等になる方式

元利均等返済方式とは、「元金と金利(利息)を返済回数で割り、毎月一定の金額を返済していく方式」です。

例えば24回で返済を終了する場合、元金に24ヶ月分の利息を足したものを24回(返済回数)で割ることで、毎月同じ金額を返済することとなります。

この方法のメリットは

  • 返済額が毎月一定なので返済しやすい
  • 元金均等方式に比べると最初の返済額が少ないので負担が少ない

の2点です。

毎月一定額の返済となるので、後述します「元金均等返済方式」と比較すると負担が少ないので、できるだけ毎月の負担を減らしたい方にオススメされる返済方法と言えるでしょう。

しかし当然ながらデメリットもあります。「元利均等返済方式」のデメリットは

  • なかなか元金が減らない
  • 元金均等返済方式に比べて完済までに時間がかかる

の2点です。

利息分と元金を足した額を分割して支払う方式ですが、返済初期の方ほど、元金よりも利息額の割合が高くなります。

非常に大雑把な例となりますが、返済額が1万円だった場合、元金分が3000円で利息分が7000円…といったイメージです。

そのため完済までに時間が長くかかり、元金が減らないため元金にかかる利息額も比例して増えるため、返済期間が長く、かつ利息も多めに払うことになります。

安定した返済額を手に入れられる一方、利息は多めに支払わなければならない返済方法と言えるでしょう。

最初の負担は大きいが、返済額を抑えられる「元金均等返済方式」

「元利均等返済方式」と対等と言える立場にあるのが、「元金均等返済方式」です。

元金均等返済方式は、元金と利息を返済月数で割った金額を返済していく元利均等返済方式とは違い、「元金を返済回数(月数)で割り、元金の残高につど利息をかけていく返済方式」です。

少々わかりづらいかと思いますので例をあげて説明します。

10万円借りていて、10回で完済するとしましょう。

となると、10万円を10回(返済回数)で割ることになりますから、毎月1万円の元金を返済することになります。

ここでかかってくる利息額は、最初の月は1ヶ月分である「1万円」と、借入残高である「10万円」にかかる利息額の合計となります。2ヶ月目は1万円と、「9万円」にかかる利息額の合計、3ヶ月めは1万円と「8万円」にかかる利息額の合計…となります。

この返済方式を選択することによるメリットは

  • 毎月元金が確実に減っていく
  • 完済時に支払う利息が元利均等返済方式に比べて少ない

の2点です。

元利均等返済方式に比べると元金の減り方が早い(確実に一定額減っていく)ので、元金が減る=かかる利息も減る、ということとなり、支払う利息額が少ないのが大きなメリットと言えるでしょう。

対して、デメリットはこのようになります。

  • 最初は返済額が大きくなり負担が大きい

元金の金額が高いほど、それだけかかる利息額も大きくなるため、最初は返済額が非常に高くなる可能性があります。

その分あとになるほどラクは出来るのですが、最初の数ヶ月は返済するための貯金や収入が必要な点はデメリットと言えるでしょう。

住宅ローンの返済方式はどちらかが多い

カードローンでも利用されることもありますが、この2つの方式は「住宅ローン」で利用されることが多いです。

特に「元利均等返済方式」は毎月の返済額が一定なので、住宅ローンのような高額の借り入れの場合は、こちらを選択する人が多いようですね。

カードローンに多い「リボルビング返済」を徹底解説!

まずは「元利均等返済方式」と「元金均等返済方式」について説明させていただきました。

続いては、今のカードローンの返済方式のほとんどがこれ、と言っても過言ではない「リボルビング返済」について説明していこうと思います。

こちらも少々ややこしい部分がありますが、出来るだけ例などを出してわかりやすくしていきます!

そもそも「リボルビング返済」ってどんなもの?

そもそも、「リボルビング返済」とはどのような返済方式なのでしょうか。

「リボ払い」というと、カードローンやキャッシングよりも、クレジットカードの支払い方法としての方が馴染みがある、という方もいるでしょう。

リボルビング返済とは、「借入額にかかわらず、返済額は一定」といった返済方法です。

クレジットカードでのリボ払いでは、「毎月リボ払いの場合は1万円返済します」とした場合、その月に5万円使っていようが、1万円も使っていなかろうが(利用額を支払っていない限り)毎月1万円を払うことになります。

カードローンでのリボ払いも似たようなものですが、そこに複数の要素が含まれてくるため、ややこしいことになっているんです。

「リボ払い」と言われる中にも実は様々な種類があり、

  • 定額方式(元利定額・元金定額)リボルビング
  • 定率(元利定率・元金定率)リボルビング
  • 残高スライド元利定額
  • 借入時残高スライド元利定額

などの種類があります。これだけでもすでにややこしいですね!

先程説明したものに近い「定額方式」のリボルビング返済

定額方式のリボルビング返済には、

  • 元利定額リボルビング返済
  • 元金定額リボルビング返済

の2種類があります。

この2つは先程のトピックで説明しました「元利定額」「元金定額」とほぼおなじで、特別そこに何かがプラスされている、というわけではありません。

カードローンの支払い方法として使われることもあまりないので、知識として持っていればOK、という感じでいいでしょう。

現在ではほぼ見ない「定率方式」のリボルビング返済

続いては「定率方式」という、ちょっと変わった返済方式です。

返済額の算出に、定率という「一定の割合」をかけるというシステムになっていて、元利定率と元金定率で多少計算式が違います。

元利定率の場合、借入残高に定率をかけたものがその月の返済額となります。例えば借入額が50万円の場合で、定率が5%だった場合は2万5000円が返済額として算出されます。

借入残高が少なくなれば少なくなるほど返済額も減ります。

対して元金定率返済方式は、まず元金に定率をかけます。元金が50万円の場合2万5000円ですね。そこに、利息分をプラスします。いわゆる「元利定額」「元金定額」と同じような考え方で、そこに「定率」が加わった形と言えます。

とはいえ、この方法は今ではほぼ採用されていない返済方式ですので、特段覚えておく必要はない、とも言えるでしょう。

多くのカードローンで見られる「残高スライド方式」

さて、前置きがかな~り長くなってしまいましたが、ここからがカードローンの返済方式としては本番!と言えるところです。

なぜなら、これからご紹介します「残高スライド方式」と、次にご紹介します「借入時残高スライド方式」のこの2種類が、最近のカードローンの返済方式として非常にメジャーなものだからです。

「そもそも残高スライドってなんやねん!」という印象もありますが、仕組みを知ってしまえば「なるほどそういうことか」と納得出来るかと思います。

残高スライド方式(残高スライド元利定額リボルビング方式)は、借入残高に応じて返済額が変わる、つまりスライドする返済方式です。

例えば「みずほ銀行カードローン」は返済方式に残高スライド方式を採用していますが、返済額は以下のように設定されています(利用限度額が200万円未満の場合)。

前月10日時点の
借入残高(利息組み入れ後))
毎月の返済額
1万円未満 前月10日時点の利用残高
1万円以上100万円以下 1万円
100万円超200万円以下 2万円
100万円超 利用残高が50万円追加ごとに1万円を加算

借入残高が多ければ返済額も多くなりますが、借入残高が少なくなればそれに伴って返済額も少なくなる、という形になっています。

例えば8月10日時点で借入残高が102万円あった場合は2万円ですが、返済することによって9月10日時点で借入残高が100万円になった場合、次からの返済額は1万円に減るというわけです。

借入残高が少なくなればその分返済額も少なくなり負担が減りますが、返済期間はその分長くなるので、支払う利息額が多くなる返済方式と言ってもいいでしょう。

先程とはちょっと違う、「借入時残高スライド方式」

もう1つのメジャーな返済方式は「借入時残高スライド方式」です。

基本的な考え方は「残高スライド方式」と同様で、借入残高に応じて返済額も比例してスライドしていくという考え方で全く問題はありません。

ポイントとなるのは「借入時」というところです。

「残高スライド方式」は締め日であったり、契約時の利用限度額などが返済額が変動(スライド)するための条件となっています。

対して、借入時残高スライド方式は、その条件が締め日などではなく「追加の借り入れによる最終の借入残高」に依存するという点です。

少々わかりづらいと思いますので、例を挙げて説明しましょう。

「借入時残高スライド方式」を採用しているカードローン「プロミス」を例とします。

プロミスの毎月の返済金額も借入残高によって変動するのは、残高スライド方式と同様です。こちらに一部を抜粋しました。

借入後残高 返済額 借入後残高 返済額
~3万円 1,000円 12万円~14万円未満 5,000円
3万円~6万円未満 2,000円 14万円~17万円未満 6,000円
6万円~9万円未満 3,000円 17万円~20万円未満 7,000円
9万円~12万円未満 5,000円 20万円~23万円未満 8,000円

例えばプロミスで、最初に10万円借りたとしましょう。上記の表を参照すると、返済額は「5,000円」であることがわかります。

毎月5,000円を返済してゆき、借入残高が9万円を切ったとします。残高スライド方式であれば、1段階返済額がスライドされて「3,000円」となるはずです。

が、「借入時残高スライド方式」を採用しているプロミスでは、返済額は5,000円のまま変わりません。

その理由は先程も説明しましたが、「追加の融資による新たな借入残高」が設定されていないためです。

先程の例のまま、返済していて借入残高が4万円になった時、追加で10万円借り入れをすると借入残高は「14万円」となり、返済額は「6,000円」となります。

その後、返済して借入残高が2万円になったタイミングで追加融資として1万円借りた場合、借入残高は「3万円」となり、返済額がスライドして「2,000円」になります。

借入時残高スライド方式は、最初の借り入れ額によって基本の返済額が決定され、追加融資をしない限りは返済額が変動することはありません。

上手く利用すれば早めにお金を返せるというメリットを受けることが出来ますが、いくら借入残高が少なくなっても追加融資をしない限り返済額が少なくならないというデメリットもあります。

主なカードローンの返済方式と具体的な返済額を調べてみよう

カードローンの返済方式については、だいたい違いや算出タイミングなどおわかりいただけたかと思います。

それでは、主なカードローンはどのような返済方式を採用しているのか、ちょっと気になってきますよね。

そこで、主な消費者金融のカードローン、及び銀行系のカードローンが採用している返済方式をまとめてみました。

方式の違いによる返済額の違いがあるのか?という点も合わせて検証してみたいと思います。

大手消費者金融は「借入時残高スライド方式」が多い

まずは、大手消費者金融カードローンの返済方式をまとめてみましょう。

社名・ブランド名 返済方式
アイフル 借入時残高スライド元利定額リボルビング方式
アコム 定率リボルビング方式(借入時残高スライド)
モビット 借入時残高スライド元利定額リボルビング方式
プロミス 借入時残高スライド元利定額リボルビング方式

アコムはホームページにて「定率リボルビング方式」と記載されており、実際定率をかけているのですが、借入時の残高によって返済額が変わるので「借入時残高スライド方式」と同様と考えて問題ないかと思います。

銀行系カードローンは「残高スライド方式」が基本

銀行系カードローンは、消費者金融が「借入時残高スライド方式」ばかりなのに対し、「残高スライド方式」が基本となっています。

こうなると、どちらがオトクなのか?と悩んでしまいますよね。

社名・ブランド名 返済方式
みずほ銀行 残高スライド元利定額リボルビング方式
三井住友銀行 残高スライド元利定額リボルビング方式
新生銀行カードローン レイク 残高スライド元利定額リボルビング方式
元利定額リボルビング方式
楽天銀行 残高スライド元利定額リボルビング方式
イオン銀行 残高スライド元利定額リボルビング方式
オリックス銀行 残高スライド元利定額リボルビング方式

唯一、この中で「レイク」のみが元利定額リボルビング方式も選べるようになっていますね。

どちらがいいか…というと一長一短があるので難しいところではありますが、選択肢がある、という点はメリットと考えてもいいのではないでしょうか。

「残高スライド方式」と「借入時残高スライド方式」どっちがオトク?

ちょっと気になる、カードローンでよく使われる2種類の返済方式。

ですが、これってどっちがオトクなのか…気になる!という方も多いのではないでしょうか?

具体的な返済額に違いがあるのか、ちょっとシミュレーションしてみましょう!

「借入時残高スライド方式」を採用している場合、追加の融資をしなければ返済額が変わらないので、借入残高が少なくなっても返済額が変わらず返済が早めに済むというメリットがあります。

今回は「プロミス」で40万円を借りた場合、どのくらいの利息額になるのかシミュレートしてみましょう。

先程表として記載しました、40万円を借りた場合の返済額は「11,000円」となりますので、この情報から返済期間及び返済総額を計算してみた結果、こうなりました。

金利 毎月の返済額 返済期間 返済総額 うち利息額
17.8% 11,000円 53ヶ月 579,111円 179,111円

53ヶ月で、支払い総額は約58万円。利息は約18万円であることがわかります。

対して、「残高スライド方式」を採用している「オリックス銀行」で40万円を借りた時のシミュレーションも同様に行いました。

オリックス銀行は100万円未満コースの金利が「12.0%」なのでその金利を適用しています。圧倒的にオリックス銀行のほうが金利が低い分オトクな印象を持ちますが…?

結果はこのようになりました。

金利 毎月の返済額 返済期間 返済総額 うち利息額
12.0% スライド 72ヶ月 547,483円 147,483円

なんと、支払い期間は72ヶ月という長さとなり、プロミスと比べると約20ヶ月も長くなっています。

返済総額は約55万円、利息額は約15万円と、金利には5%以上もの差があるのに支払う利息の総額は約3万円しか差がありません。

これは、残高スライド方式による「毎月の返済額」が借入残高によって変化するため。

オリックス銀行では借入残高が30万円超50万円以下の時は返済額が「10,000円」ですが、借入残高が30万円以下になると「7,000円」と返済額が少なくなります。

そのため返済に時間がかかり、利息もそれだけ多くなってしまった…というわけなんですね。

プロミスなどの「借入時残高スライド方式」は追加融資を頻繁にする方であれば、正直「残高スライド方式」と大きく返済額が変わることはないでしょう。

しかし、1回借りてあとは返済するだけ…という形の借り方であれば、「借入時残高スライド方式」の方が、毎月の返済額が変わらないため返済の負担は軽くならないものの、返済期間は短く出来るので総合的にオトクになりやすい、とも言えるでしょう。

繰り上げ返済や一括返済を利用すればぐっと利息は減らせる

「それなら銀行系カードローンよりも実は消費者金融のカードローンの方がいいの?」と思った方もいるかもしれません。

確かに何もせず、毎月の返済額のみを淡々と返済していく形でしたら、先程のシミュレーション結果のようになるでしょう。

しかし、「繰り上げ返済」を上手に利用することで、支払う利息額をぐっと抑えることが可能です。

繰り上げ返済は追加返済、随時返済と言われることもありますが内容は同じ。

ようは、「毎月の返済(定例返済)」とは別に、自分の好きな金額を別途返済する返済方式です。

カードローンの返済方式はいずれも「元利」、つまり返済額の中に利息と元金が一定の割合で含まれているものですが、どうしても最初は利息の割合が高く、元金がなかなか減らないため返済期間が長くなってしまう傾向にあります。

しかし「繰り上げ返済」は元金そのものにしか適用されない、つまり繰り上げ返済で返済した額はまるまる元金の返済に充てられるため、借入残高だけでなく、それに伴った利息額も減少するんです。

残高スライド方式で毎月の返済額が少なくなっても、繰り上げ返済を利用し一定額を追加で返済すれば、借入時残高スライド方式のように一定の金額を返済し続けることも可能です。

また、これは返済方式そのものが全く関係なくなってしまう方法ではありますが、借りているお金を利息ごとまとめて一度に返済する「一括返済」という方法もあります。

ある程度返済していて、「この額ならボーナスを返済に回せばOkかも」という場合などに一括返済を行うと、当然ですがかなりの利息額をセーブすることが可能です。

実は奥が深い返済方式!知っておくとオトクに使える

キャッシング・カードローンにおいて、どうしても金利や無利息期間といった、目立つ部分に気を引かれてしまいがちではあります。

しかし、実は返済方式も奥が深いといいますか、商品を選ぶポイントとしてしっかりと成立することを、今回の記事をお読み頂いた方は感じていただけたのではないかと思います。

金利が低ければオトクに借りることが出来るのは当然のことですが、返済方式を把握していないと、実は金利が数%以上高い商品と支払う利息額はそんなに変わらなかった…なんてこともあるんですよね。

とはいえ、だからといって「借入時残高スライド方式じゃないと損!」というわけではありません。

確かに支払う利息額そのものはそんなに変わらないかもしれませんが、借入残高が減ればそれに伴って返済額も少なくなりますから、返済期間は長くなるものの、毎月の負担は段階的に減っていきます。

決して「どちらが上」「どちらがいい」とは言えません。残高スライド方式であっても、繰り上げ返済を利用するなどの工夫で利息を抑えることが出来ます。

ただ、いずれの返済方式を選ぶとしても、それは「返済方式に関する知識」がなければ考えられない選択肢です。

カードローンやキャッシングなどの知識を深めることで、よりオトクに、より賢く利用することが出来る。これに関しては間違いないと言えるでしょう。

【こちらの記事も参考に!】

キャッシング会社を決める理由にもなる!?返済方法の特徴あれこれ

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