金欠対策!稼ぐ、借りる、貰う、凌ぐ…パターン別解決法

ひとり親家庭医療費助成で金欠を乗り切るには?制度について徹底解説

現在、一人でお子さんを育てておられる方の場合、金銭的に苦しいと思う機会があっても不思議ではありません。毎日一生懸命働いているのに、気づけば金欠になっている…。そんな時にお子さんが病気になったり怪我をしたりすると、病院にかからなければいけないのにためらってしまいそうになりますよね。

ですが、病気や怪我を放置するわけにはいきません。そんな時、ひとり親家庭医療費助成という制度を利用する方法があります。

これは自治体単位で行われている制度で、一人親の家庭を対象に医療費の助成が受けられるというものです。では、どのような助成が受けられるのでしょうか?

そこで、ひとり親家庭医療費助成制度について詳しく解説します。

自治体によって助成内容が違う?ひとり親家庭医療費助成利用上の注意

最初にお話したように、ひとり親家庭医療費助成は自治体単位で行われている制度で、ひとり親家庭における保健衛生を向上させることを目的としています。実は、この制度が自治体単位で行われていることによって、利用する際の注意点があります。

では、この制度について詳しく見ていきましょう。

自治体によって条件や助成内容が違います

この制度の目的はひとり親家庭における保健衛生を向上させることなので、援助内容は医療費の助成となっています。

ですが、実施単位が自治体なので、住んでいる自治体によって助成の対象者となる人や助成の内容が違う点に注意が必要です。

例えば、引っ越しをしたとすると、以前と同じ助成が受けられるかというと、そうではない場合もあるということですね。

そのため、この制度を利用するのであれば、それぞれの自治体でどのような制度となっているのかを確認しなければいけません。

利用したい時の申請先

この制度を利用したい場合は、お住まいの自治体で指定されている先に申請します。自治体によって申請先も違い、例えば保健福祉課を提出先としている自治体もあれば、子育て支援課としているところもあります。中には、ネウボラ推進課という名称の課に提出するよう案内している自治体もあります。

余談ではありますが、ネウボラというのはもとはフィンランドの言葉で、出産支援制度や子育て支援制度を表す言葉です。

このように、自治体によって様々な言葉を利用していますので、提出先を確認する必要があります。

よくわからない場合は各自治体のホームページで確認するか、市町村役場などに問い合わせるようにしましょう。

利用するにはどんな条件がつけられる?自治体ごとの例を見てみよう

ひとり親家庭医療費助成はひとり親で子どもを育てていれば誰でも利用できるものではなく、それ以外にも条件がつけられていることがあります。

条件も自治体ごとに違いますので、いくつかの自治体を例として、どのような条件がつけられる可能性があるのかを見ていきましょう。

旭川市

旭川市の場合、18歳に達する前日が属している年度末までの子どもとその母か父、または母か父の扶養を受けている18歳を超えて20歳に達する前日が属している年度末までの子どもとその母か父がこの制度の対象となります。

さらに、以下の条件をすべて満たしていることも必要です。

  • 母または父が旭川市の住民で、その親に扶養・監護されている児童である
  • 健康保険に加入している
  • 生活保護は受けていない
  • 生計維持者の所得が基準額以下である

仙台市

仙台市では、この制度のことを母子・父子家庭医療費助成と呼んでいます。助成の対象となるのは仙台市内に住んでいて健康保険に加入している上で、以下のいずれかに当たる人です。

  • 母子家庭の母か父子家庭の父
  • 母子家庭または父子家庭の児童
  • 父母がいない児童

さらに、所得による制限もあります。

ここで言う児童とは、18歳に達した年の年度末までの子どものことです。

奈良市

奈良市の場合、助成の対象になるのはひとり親家庭の父か母(健康保険に加入していることが条件)と、18歳に達した日以降に初めて3月31日を迎えるまでの子どもです。

所得制限はありませんが、生活保護を受けている場合は助成の対象となりません。

広島市

広島市の場合、助成の対象となるのは広島市内に住んでいて健康保険に加入している上で、以下のいずれかに当たる人です。

  • 母子家庭か父子家庭で児童を扶養している母または父
  • 母子家庭か父子家庭で扶養されている児童
  • 父母がいない児童
  • 父母がいない児童を養育する配偶者がいない人
  • 上記の4つの状態に準ずる人

4つの状態に準ずる人とは、例えば配偶者が病気などで長期間働けない、1年以上に渡って配偶者の生死が分からないなどの状態になっている人を言います。

ここで言う児童とは、18歳に達した日以降に初めて3月31日を迎えるまでの子どものことです。

熊本市

熊本市の場合、助成の対象となるのは熊本市内に住んでいる以下の人です。

  • ひとり親家庭の父か母
  • ひとり親家庭の児童
  • 父母がいない児童

所得による制限もあり、生活保護を受けている人は助成の対象となりません。

ここで言う児童とは、18歳に達した日以降に初めて3月31日を迎えるまでの子どものことです。児童の場合は、助成はその日までとなります。

ひとり親家庭の父か母は、扶養している子どものうち最年少の子どもが20歳の誕生日を迎えた月の月末まで助成が受けられます。

自治体による相違点

自治体によって、18歳までの子どもやその子どもを扶養している親が対象となる場合もあれば、20歳までとなっていることもあるなど、違いがあることがわかります。また、所得による制限がある自治体もあれば、そうでない自治体もあります。

このように、5つの自治体を調べてみただけでも様々な相違点があることがわかります。

そのため、この制度を利用したいと思ったら、どのような人が対象になるのかをきちんと確認することが必要です。

助成内容が知りたい!自治体ごとの取り組みをご紹介します

それでは次に、先ほど利用するための条件を確認した自治体を例に、どのような助成が行われているのかを確認しましょう。

旭川市

旭川市では、以下の場合は保険診療の自己負担分の全額の助成を受けることができます。

  • 対象となる子どもが3歳未満
  • 対象となる人と同一世帯で20歳以上の人全員市町村民税が非課税

それ以外の場合は、窓口での負担が1割になります。

ただし、以下のものは助成の対象となりません。

  • 入院の際の食事代と生活療養費
  • 訪問看護療養を利用する場合の基本利用料
  • 紹介状なしで大病院にかかった場合の保険外併用療養費
  • 学校管理下で起きた災害に対する医療費

助成を受ける場合は、健康保険証ともに受給者証を提示しましょう。

仙台市

仙台市では、保険診療の自己負担額が1,000円を超えた場合に超えた分の金額が助成されます。入院した時は、2,000円を超えた場合に超えた分の金額が助成されます。

奈良市

奈良市では、1か月分の保険診療の自己負担額から一部負担金を差し引いた金額が助成されます。ただし、他の制度によって医療費の助成を受けている場合は、その額が減額されます。

一部負担金は、以下のように決められています。

  • 通院…医療機関ごとに500円
  • 15日以上の入院…医療機関ごとに1,000円
  • 14日未満の入院…医療機関ごとに500円

調剤薬局では、一部負担金が不要です。

また、以下のような費用は助成の対象にはなりません。

  • 差額ベッド代や健康診断など保険診療外の医療費
  • 入院の際の食事代
  • 学校や保育所などの管理下で起きた災害に対する医療費

窓口でひとり親家庭等医療費受給資格証を提出すると、支払いから3か月程度後に指定口座に助成金が入金されます。

広島市

広島市では、保険診療の自己負担分が補助されます。ただし、入院の際の食事代と生活療養費は助成の対象となりません。

健康保険証と市に交付されている「ひとり親家庭医療費受給者証」を医療機関の窓口に提示することで、診療が無料で受けられる仕組みになっています。

熊本市

熊本市では、保険診療の一部負担金のうち、3分の2に当たる金額が助成されます。ただし、以下のような費用は助成の対象にはなりません。

  • 差額室料や予防接種など保険診療外の医療費
  • 入院の際の食事代

また、高額療養費や公費負担筋などの制度を利用する場合は、その金額を除いた額が助成されます。

窓口で健康保険証と熊本市ひとり親家庭等医療費受給資格者証を提示すると、保険診療の一部負担金のうち3分の1のみを支払うことになります。

自治体による相違点

まず、保険診療の自己負担額を全額助成してくれるところもあれば、一定の額を超えた分を支給する、支払い金額に対して一定の割合の額を助成するなど、自治体によって助成の金額に差があることが分かります。

また、一度支払ってから助成金が戻って来る場合もあれば、窓口での負担自体が減らされることもあるなど、助成金の受け取り方も違います。一度窓口で負担をしなければいけないかどうかは、金欠の時には特に気になるところです。そのため、お金の受け取り方も事前に確認しておきたいですね。

金欠でも必要な医療費!ひとり親家庭医療費助成を活用しよう

どんなに金欠でも、病気や怪我をそのままにしておくわけにはいきませんので、医療費はどうしても必要です。ですが、特に片親で子どもを育てている人であれば、様々なことでお金が必要で、医療費を支払うのに困ることもあるかもしれません。

そんな時には、ひとり親で子どもを育てている人が利用できる、ひとり親家庭医療費助成を利用して、少しでも負担が少ない状態で医療機関が利用できるようにするといいですね。

ですが、ここまで5つの自治体を例に制度の内容を確認してきたことからもわかるように、この制度は自治体単位で行われるものなので、住んでいる自治体によって助成を受けるための条件や助成内容が異なります。

そのため、お住まいの自治体ではどのような制度になっているのか、事前に確かめてから利用を検討するようにしましょう。

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