年間1万円以上の節約も夢じゃない!?光熱費を見直すポイント
「お金を貯めたい!」「金欠から脱したい!」など、利用は様々ながら、誰もが一度はチャレンジする「節約」。
いろんなものが節約の対象となりますが、継続的に、かつ効果的に節約をするのであれば、やはり「光熱費」は外せません。
毎日あまり意識せず使っているからこそ、知らない間にもったいない使い方をしていた、無駄遣いをしていた…なんてケースはままあります。
とはいえ、どうやって光熱費を節約すればいいのかわからない、という方も沢山いらっしゃるでしょう。
そこで、単純に「電気製品を使わない」「ガス・水道を使わない」というものではない、実用的かつ効果的な節約方法をご紹介したいと思います。
電気からエアコンまで…「電気代」の節約方法
光熱費の節約、という点において一番重要だと言えるのがやはり「電気代」でしょう。
水道、ガスももちろん使いますが、電気はそれら2つに比べると非常に多くの場所で必要となり、使っているエネルギーだからです。
逆に言えば、水道とガスは多少横においておいても、電気代をしっかりと節約できたら「光熱費の節約」としては結構大きな結果を手に入れることが出来る、とも言えます。
光熱費を攻略するのであればまずは電気代から…といっても過言ではありません。
節約するための具体的な方法を見ていきましょう。
古い家電はさっさと買い換える
まずはこれです。洋服や日用品などはこまめに買い換える、という方は多いかと思いますが、なかなか家電を定期的に買い換える、という方は少ないと思います。
家電は寿命も長いですし、「壊れていないのに買い換えるのはちょっと…」と考える方も多いですよね。
しかし、その考え方が節約の敵!なんです。
15年前のエアコンと、最近のエアコンをの電気代を比較した場合、なんと年間で2万円近くも電気代に差が出るんです。
エアコンでこれだけということは、洗濯機や冷蔵庫といった電気代を結構食う家電も同様。
さすがに5年スパンで買い換えるとなると費用がかかってしまいますのでオススメしませんが、10年経過したら買い替えたほうがランニングコストを含めてお得になる、と言われています。
特に最近の家電は「省エネ」が基本機能として備わっていますし、やはり新しい方がなんでもいいものです。
よく使う、電気代がかかる家電を新しいものにするだけで、ぐっと電気代は節約出来ますよ。
冬ならこたつを使ってエアコンを使わないという手も
夏では出来ない節約方法ですが、冬の寒い時期にエアコンをついついつけたくなるものです。
しかしエアコンをぐっとガマンして、「こたつ」にすれば電気代を大幅に節約出来ます。
つける時間やエアコン及びこたつの大きさにもよりますが、どれくらい違うのかちょっと計算してみましょう。
電気代は1時間25円として計算しています。また、使用時間は6時間で計算しています。
一人暮らし用のコタツの電気代はこんな感じになります。
消費電力 | 電気代 | 1ヶ月分 |
---|---|---|
300W | 7.5円(1時間) (メーカー参照値:強 4.3円、弱2.2円) |
約1,350円 |
続いて、リビング用のコタツです。
消費電力 | 電気代 | 1ヶ月分 |
---|---|---|
90W~600W | 2.25円~15円(1時間) | 約2,700円(600W計算) |
おもったより安い!と感じる方は多いのではないでしょうか。さらにコタツは最初は「強」にするものの、あとは保温でも問題ないので「弱」にすることが多く、先程の表よりもぐっと電気代が下がる可能性があります。
対してエアコンです。
こちらは一人暮らしに使える、6~8畳タイプの暖房の消費電力のみ抜き出しています(冷房の消費電力はまた別)。
消費電力 | 電気代 | 1ヶ月分 |
---|---|---|
515W(105W~1,980W) 期間消費電力量:676kWh |
12.875円(1時間) | 約1,408円 |
コタツと大きく変わりませんが、もうすこしコタツの方が消費電力が少なくなる可能性があると考えると、こちらの方が電気代がかかる可能性がありますね。
続いてファミリー用。こちらは12畳用のエアコンにて計算しました。
消費電力 | 電気代 | 1ヶ月分 |
---|---|---|
915W(105W~1,980W) 期間消費電力量:1,08kWh |
22.875円(1時間) | 約2252円 |
コタツよりも計算上は安くなっています!…が、こちらもコタツの保温性などを考えるとどうか…という感じですね。
無理してコタツを使え、というわけではありませんが、常に付けていなければいけないエアコンと違い、こたつは下にラグをひいたり、厚めのこたつ布団を使うことで強い力で暖めなくても暖かさが長持ちする、というメリットがあります。
エアコン代に悩んでいるなら、コタツを買って使ってみるというのも手だと思いますよ。
時間帯割引を有効活用する
一人暮らしなどで、日中は家をあけているからほとんど電気を使うことはない…という場合は、電気の料金プランを変えることでぐっと電気代を節約出来る可能性があります。
関西電力には「時間帯別電灯」という契約メニューがあります(関西電力に限らず、全ての電力会社でこのようなプランはあると思います)。
こちらのプランの特徴は、日中は基本的なプランに比べてかかる電気代が割高なものの、夜間23時から翌朝7時まではかかる電気代がかなり割安になる、というプランです。
関西電力の一般家庭向けの基本的な契約メニューである「従量電灯A」と比較してみましょう。
項目 | 従量電灯A | 時間帯別電灯 |
---|---|---|
基本料金 | 最低料金(15kWhまで) 1契約の料金単価:327.65円 |
最初の10kWhまで: 1.188円(1契約単位) 10kWを超える1kWにつき: 388.80円(1kW単位) |
第1段階 | 15kWh超120kWhまで 19.76円 |
昼間時間、90kWhまで 21.64円(1kW単位) |
第2段階 | 120kWh超300kWhまで 26.19円 |
昼間時間、90kWh超230kWhまで 28.59円(1kW単位) |
第3段階 | 300kWh超過分 29.94円 |
昼間時間、230kWh超過分 32.76円(1kW単位) |
夜間時間 | 対応なし | 9.94円 |
一般的なプランである従量電灯Aと比べますと、段階で上がる値段の幅が大きく変わっていることがおわかりかと思います。
どちらも共通しているのは「電力利用量に応じて1kW単位の電気代が上がっていく」ことです。
従量電灯Aはどの時間に使っても電気代は同じで、使用量によって1kW単位の電気代が上がります。
対して時間帯別電灯は、昼間時間(午前7時~午後11時)の使用については電気の利用量に応じて電気代が上がっていくものの、夜間時間であれば量に拘らず9.94円という破格の値段で利用が可能です。
土日や祝日もこの計算になりますので、休みは家にいることが多い、という方であれば難しいかもしれませんが、普段からあんまり家にいない、洗濯や洗い物は夜遅く、あるいは朝はやくでも問題ないという方は時間帯別電灯にすることでぐっと電気代を節約出来ますよ。
契約アンペアを見直す
これも電気代節約の基本です。多くの電力会社は、「契約アンペア」を設けています。
これはちょっと説明が難しいのですが、携帯電話のパケット代のようなものと考えてください。
例えば50Gまで通信が出来るプランと、15G、10Gといったプランであれば、50Gのプランの方が沢山使えますよね。15Gや10Gの場合、その分を超えると通信速度が下がるので、別途利用できるパケットを購入しなければなりません。
契約アンペアも似たようなもので、アンペア数が高いほど、同時に電気機器を使用することが出来ます。
「ブレーカーが落ちた」という言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、それは同時に使った電気機器のアンペアの合計数が契約アンペアを超えてしまったからです。
それなら「契約アンペアを高くしておけば問題ないんじゃないの?」と思うかもしれませんが、当然ながら契約アンペアが大きくなればなるほど、毎月かかる契約アンペア代は高くなります。
東京電力の場合は、以下のようになっています。
契約アンペア | 基本料金 | 契約アンペア | 基本料金 |
---|---|---|---|
10 | 280.80円 | 40 | 1,123.20円 |
15 | 421.20円 | 50 | 1,404.00円 |
20 | 561.60円 | 60 | 1,684.80円 |
30 | 842.40円 |
自分が普段使っている電気機器の合計アンペアよりも、契約アンペアの方が大幅に上回っていた場合、基本料金分節約できる可能性があります。
検針票(電気使用量を示す紙)に契約アンペアが記載されていますので、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
普段使っている家電の設定を見直す
普段何気なく使っている家電の設定を見直すことで節約に繋がることもあります。
例えばエアコンは、冷房の場合は1度上げる、暖房の場合は1度下げるだけでも電気代に影響があると言われていますよね。
冷房の適正温度は28度(環境省では、27度から28度に上げるだけで、約10%の消費電力の削減になるというデータを出しています)、暖房は19~20度が省エネ的にも適正温度と言えるでしょう。
冷蔵庫の温度もつい「強」で放置しがち。夏はそれでもOKですが、冬は外も寒いのでそれほど強い力でなくてもいいので「弱」にする。
これだけでも消費電力を抑えられるので、簡単に節約が可能ですよ。
また、AV機器は待機電力が高いです。夜中に録画予約している…というようなケースを除いて、通電しないようにしてしまうのも手です。
最近はスイッチつきの電源ハブも多く売られているので、利用してみてはどうでしょうか?
賃貸の場合、意外とネックに!?「ガス代」の節約方法
続いてはガス代の節約方法です。最近はオール電化といってガスを一切使わず、全て電気で賄うことも出来るため、「うちでは使っていない」という方もいるかもしれません。
が、まだまだガスというエネルギーを使っている方は多いはず。
特に一人暮らしをされている場合、大きく節約できる可能性があるのがこの「ガス」なんです!
料理は電子レンジ等を上手く活用して節約!
ガスを使う機会のトップ3に入るであろうのが「料理」です。
フライパンなどを使わない方法での料理もありますが、それでもまだまだ毎日のように使っているという方の方が多いでしょう。
その時に活用したいのが「電子レンジ」。
例えば人参やじゃがいもなど、火が通りにくい食材を最初からガスで温めるより、一度電子レンジにかけるほうが早く火が通り、ガス代の節約になるんです。
飴色玉ねぎを作る時もずっとフライパンでやるのではなく、電子レンジでやるほうが効率的で早い、と言われていますよね。
ガスで1から10までやるよりも、電子レンジで1~6、7くらいまでやるほうが全体的な光熱費の節約に繋がるんです。
経済産業省資源エネルギー庁の「家庭の省エネ徹底ガイド」によりますと、以下のようになっています。
食品 | ガスコンロ | 電子レンジ |
---|---|---|
果菜(ブロッコリー・かぼちゃなど) | 1,290円 | 330円 |
葉菜(ほうれん草など) | 1,150円 | 290円 |
根菜(じゃがいも、里芋) | 1,310円 | 480円 |
電子レンジを上手く使うことでかなりの額が節約出来ることがわかりますよね。
お湯を沸かすときも「電気ケトル」を利用しよう
同様に、お湯を沸かすときに活用したいのが「電気ケトル」。昔はヤカンでお湯を沸かすのが普通でしたが、今は電気ケトルさえあれば電源を入れるだけで簡単にお湯を用意できます。
このケースでも(よほど多い量でなければ)ガスでお湯を沸かす際に比べて光熱費全体の節約になります。
お風呂に蓋をすることで温かさを逃さない!
ガスを使う主な用途のひとつが「お風呂」です。このお風呂でもガス代を節約する方法があるんですよ!
それは「蓋」。きちんと蓋を閉めることでお湯の温かさが保たれ、追い焚きの回数を減らすことが出来ます。
「お風呂の保温シート」なるものもネットやホームセンター等で販売していますので、さらに節約したい!という方は購入してみてはいかがでしょうか。
また、追い焚きの回数を減らすためにも、お風呂はできるだけ間を開けずに入るようにしたいですね。
こちらも経済産業省資源エネルギー庁の「家庭の省エネ徹底ガイド」によりますと、2時間放置によって4.5度温度が下がったお風呂のお湯を追い焚きする(1日1回)のをやめるだけで、年間約5,300円の節約になるんです。
「中火」=ガス節約はウソ!?正しい方法は?
「ガスの火は中火が一番効率がいい」と言われています。確かにガス代での効率がいいのはそうなのですが、それが正しいとは限りません。
例えば中火サイズの火が鍋底よりもはみ出していたら、はみ出している部分は「無駄」になってしまいますし、逆に鍋底を中火でカバー出来ていなかった場合、全体に火が通るのに時間がかかってしまいます。
なので、ベストは「その鍋底に合った火のサイズ」なんです。
小さいものであれば小さめの火を、大きめのお鍋であれば大きめの火を。鍋底と同じサイズの火を使うのが一番効率がよく、ガス代の節約にも繋がるというわけです。
洗い物をする時はガス給湯器の温度を下げよう
お風呂は40~43度で沸かす方が多いと思います。が、洗い物などの温度はそこまで高くなくてもいいですよね。
ガス給湯器の温度を1度下げるだけで、年間で約600円の節約になります。
また、ゴム手袋を使って洗い物をすることでお湯を使う必要がなくなり、さらにガス代を節約するなんてことも可能です。
ゴム手袋で洗い物をする場合、手荒れも少なくなるので一石二鳥ですね。
プロパンガスの場合は料金の見直しが第一!
一人暮らしの方の場合、都市ガスではなく「プロパンガス(LPガス)」を利用している可能性があります。
アパートなどの外にプロパンガスのボンベがあったら確実!と言ってもいいでしょう。
プロパンガスは都市ガスに比べて非常にガス代が高いんです。
ガスの自由化によりガス会社が自由に料金を決められるという点もありますが、都市ガスは初期設備にお金がかかる分、料金は低め。
対してプロパンガスは初期設備投資にお金がかかりにくい分、料金が高めという傾向にあります。
なのでアパートなどの賃貸物件の場合、プロパンガスになっていることが多いんですね。
ガス料金は「基本料金+従量料金」の合計額で計算されるのですが、プロパンガスの場合、都市ガスに比べてこの基本料金も従量料金も高く設定されていることが多いんです。
…しかし、ガスは「自由化」されています。つまり、別のプロパンガスの会社であればもっと安くなる可能性がある!ということ。
だいたい基本料金が1,800円を超え、従量単価が500円を超えている場合はすぐにでも会社を変更したほうがいいでしょう(ちなみに、従量単価は従量料金を使用量で割れば計算出来ます)。
もしくは、初期費用として10万~20万程度かかりますが、都市ガスにしてしまうのも手です。
ガス代はだいたい3分の1くらいになりますので、数年利用すれば十分モトが取れるからです。
洗い物はまとめるのが吉!水道代の節約方法
最後は「水道代」です。水も毎日使うものですから、なかなか節約しにくいのでは…?と思えてしまいますよね。
しかし、水道代も工夫をすることで節約することが可能。
さすがに電気代ほど節約できるか、と言われると難しいところではありますが、毎日使う水だからこそ、意識することで少しずつ節約を積み重ねることが出来ますよ!
水を流しっぱなしで洗うのは厳禁!
洗い物の時など、つい水を流しっぱなしにしてしまうことってありますよね。
しかし、これは非常にもったいないんです!水の勢いにもよりますが、1分間水を流しっぱなしにしているだけで、だいたい6リットルもの水が消費されているんです。
さらにガス給湯器であったかくしていたらガス代もかかりますので、かなりの「無駄な出費」になっていることがわかります。
食器を洗うときは水をためてつけておき、洗ったものを別のバットなどにまとめてすすぐ、あるいは食器洗い乾燥機を使うことをオススメします。
何度も出てきていますが、家庭の省エネ徹底ガイドによりますと、手洗いと食器洗い乾燥機では、年間8,000円ほどの差がでるくらいなんです。
食器洗い乾燥機を上手く利用すれば、洗い物をする時間が節約出来るだけでなく、光熱費の節約にもなり一石二鳥ですね!
お風呂も水道代の節約を。特にシャワーは注意!
水を使う場所と言えばやっぱりお風呂。
シャワーが1分間で出す水の量は約12リットルなので、シャンプー中などにシャワーを流したままにするのは厳禁です!
また、シャワーの時間が15分程度で済むのであれば、お風呂を沸かすよりも使う水の量が少ないので省エネになります。
年間1,000円ほどの節約ではありますが、ちりも積もればなんとやら。全く使っていないのにシャワーを流すのをやめる、と意識するだけでも節約出来ますよ。
出る水の量を制限するグッズも有効活用しよう
世の中には「節水グッズ」として様々なアイデアグッズが出ています。
有名なのは「節水シャワーヘッド」や「節水蛇口」など。値段もお安く、かつ特別こちらが意識しなくても節水出来るように作られているので、「節水はしたいけれどいちいち意識するのはちょっと面倒」という方にもオススメです。
また、水道代の節約として昔はトイレのタンクにペットボトルを入れるといったアイデアもありましたが、故障の原因になることもあるので推奨されていません。
悪影響を与えないトイレの節水グッズは色々と売られていますので、そちらを利用しましょう。ただし、利用できないメーカーや型番など、結構制限があるものも多いのでしっかり確認してから購入することをおすすめします。
洗濯物はしっかりまとめて洗おう
一度着た服は洗濯してキレイにしたい!その気持ちはとてもよくわかります。
しかし、だからといって少量の洗濯物を毎日洗濯機にかけている…というのは、節約の観点からはNG。
何度も出ていてあれですが、家庭の省エネ徹底ガイドによれば容量が6kg定格の洗濯機の「4割」入れて洗う場合と、「8割」入れて洗う場合では、電気と水道代ともに節約が出来、合計で年間約4,000円も浮くんです。
夏などついこまめに洗いたくなりますが、ぐっとこらえて節約のために、ある程度洗濯物がたまってから洗うようにしたほうがいいでしょうね。
様々な方法で節約が可能!出来る方法から取り入れて
電気代、ガス代、水道代、どれもが様々な方法での節約が可能です。
「意識して使う量を少なくする」といった簡単に出来る方法もあれば、業者を変えるといった一筋縄ではいかなさそうな方法までありますので、すべてを行う…というのはちょっと難しいところでしょう。
とはいえ、すべての方法を行わなければしっかりと節約出来ていない、というわけではありません。年間1,000円であっても節約されていれば、それは立派な「節約成功」なんです。
また、いきなりすべてをやろうと思っても大変だったりして続かないと意味がありません。
自分が出来る・できそうな方法から取り入れて、上手く行けば他の方法やそれをアレンジした方法…など、だんだんと手を広げていく方がやりやすいですし、結果も伴ってくるのでモチベーションも上がります。
まずは「水を出しっぱなしにするのをやめよう」からでもOK。今日から出来る節約術、あなたもぜひ試してみてくださいね。
【参考記事】