消費者金融の金利が高い理由から知る、低金利キャッシングの探し方
消費者金融で金欠時にキャッシングをする方も多いと思いますが、必ず一度は「なんでこんなに金利が高いんだろう」と感じた経験があるのではないでしょうか?
実際、消費者金融でお金を借りるのであればその金利は大抵「18%」と、正直高いと言わざるを得ません。
もっと金利が低ければ利用するのに、と思った方も少なくないでしょう。
しかしなぜ、消費者金融の金利は18%程度で下がることがないのでしょうか?
銀行カードローンよりも高い金利を設定しているのでしょうか?
今回の記事では「なぜ消費者金融の金利は高いのか」を考えてみることにしましょう。
そもそも、消費者金融は他と比べてどれくらい金利が高いの?
消費者金融の金利は高い!と言われていますが、一体どのくらい高いのか、まずは金利を比較してみないとわかりませんよね。
そこで、大手消費者金融の金利と、よく比較対象に挙がる銀行カードローンの金利、そして法律で定められた金利の3つを比較してみたいと思います。
知っておきたい金利の見方。「最高金利」と「最低金利」
比較をする前に、余談ですが金利の見方についても少しご説明したいと思います。
よくカードローン・キャッシングでは金利について「○○%~△△%」とかなりの幅を持った数字が書かれていることも珍しくありません。
それはその商品に「最低金利」と「最高金利」が設定されているからなんです。
最低金利とは、一番低い金利、つまり利用者が一番「オトク」に借りられる金利だと言えます。
対して最高金利は一番高い金利、利用者としては「最高金利が高い=金利が高い」というイメージとなるでしょう。
ここで、「最低金利が低ければ低いほどオトクなんじゃないの?」と思った方もいるでしょう。
確かに間違いではないのですが、残念ながらそう簡単なものではありません。
例えば、「みずほ銀行」のカードローンの金利は「2.0%~14.0%」です。その幅は12.0%となかなかのものですね。最低金利である2.0%であれば、住宅ローンとそう大きく変わらない金利で借りることが出来ます。
しかし、こういった金利とは切って切り離せないのが「利用限度額」です。利用限度額とは、カードローン・キャッシングの審査において「この人にはこれくらいならお金をかしても大丈夫だろう」と判断された金額です。
金利は利用限度額と反比例する関係にあり、利用限度額が低ければ低いほど金利は高く(最高金利に近く)なり、利用限度額が高くなればなるほど金利は低く(最低金利に近く)なります。
こちらの表を見ていただければ一目瞭然。限度額が「800万円」、つまり「この人なら800万円までなら貸してもいいかな」と思われないと2.0%の金利で借りることが出来ないんです。
限度額 | 金利 | 限度額 | 金利 |
---|---|---|---|
10万円以上100万円未満 | 14.0% | 400万円以上500万円未満 | 6.0% |
100万円以上200万円未満 | 12.0% | 500万円以上600万円未満 | 5.0% |
200万円以上300万円未満 | 9.0% | 600万円以上800万円未満 | 4.5% |
300万円以上400万円未満 | 7.0% | 800万円 | 2.0% |
そして、ほとんどの方が最初は10万円~100万円未満の枠に収まるでしょう。つまり、「最高金利」が適用されるラインといえます。
話が少々長くなりましたが、よほどお金持ちであったり、審査の上で有利な条件を自身が持っていないと、最高金利でしか借りられない可能性の方がずっと高いんです。
そのため、最低金利を見ても意味はなく、「最高金利を見て判断するべき」だと言われているんですね。
消費者金融の最高金利はだいたい18%程度
大手消費者金融の金利を集めてみました。利用限度額によって最低金利は少々幅がありますが、最高金利は18%程度で足並みが揃っている印象です。
社名・商品名 | 金利 | 利用限度額 |
---|---|---|
アイフル(キャッシングローン) | 4.5%~18.0% | 500万円 |
アコム(カードローン) | 3.0%~18.0% | 800万円 |
ノーローン | 4.9%~18.0% | 300万円 |
プロミス(フリーキャッシング) | 4.5%~17.8% | 500万円 |
モビット | 3.0%~18.0% | 800万円 |
銀行カードローンの最高金利は15%程度と3%ほど低め
対して、銀行系のカードローンはレイクを除けば15%以下と、消費者金融に比べて低い金利設定となっていることがわかります。
社名・商品名 | 金利 | 利用限度額 |
---|---|---|
みずほ銀行カードローン | 2.0%~14.0% | 800万円 |
三井住友銀行カードローン | 4.0%~14.5% | 800万円 |
三菱東京UFJ銀行「バンクイック」 | 1.8%~14.6% | 500万円 |
イオン銀行カードローン | 3.8%~13.8% | 800万円 |
ソニー銀行カードローン | 2.5%~13.8% | 800万円 |
新生銀行カードローン「レイク」 | 4.5%~18.0% | 500万円 |
利用限度額はそう消費者金融と変わらず、金利のみ低くなっていることがおわかりいただけますでしょうか。
また、今回は掲載していませんが、地方の金融機関(地方銀行や信用金庫)や、労働金庫のカードローンはさらに金利が低いものもあり、10%を切るほどの商品もあります。
それらと比較すると、さらに消費者金融は金利が高いという印象になるでしょう。
金利の上限を決める法律に沿って決めている
そもそも、この金利はどうやって決めているのか、ということですが、法律によって決められた上限に沿ったものとなっています。
上限金利について定めているのは「利息制限法」と「出資法」という2つの法律です。
「利息制限法」で定められた金利を超過した場合、民事上無効という扱いとなり、「出資法」で定められた金利を超過した場合は刑事罰を受けるようになっています。
「利息制限法」での上限金利は貸付額に応じて15%~20%と定められています。具体的には以下の表の通りです。
10万円未満 | 10万円以上100万円未満 | 100万円以上 |
---|---|---|
20% | 18% | 15% |
「出資法」も上限が20%となっていますので、この2つの法律を合わせると「100万円未満の限度額なら18%で貸してもOK」ということがわかります。
当然ながら消費者金融で100万円以上借りる(限度額を得た)時は、最高金利は15%となります。
以前は、出資法で定められていた上限金利が「29.2%」だったため、利息制限法の20%を超える金利、いわゆる「グレーゾーン金利」でお金を貸しているところがほとんどでした。
今は法律が改正され、グレーゾーン金利は撤廃されています。
消費者金融はこの法律で定められた数字に沿って、貸付利率を設定していると言えるでしょう。
理由1:リスク回避の分も入っているため
前のトピックで、消費者金融の金利は利息制限法に沿っているとお伝えしました。
とはいえ、上限が18%なだけで、極端な話10%でも8%でも法律上の問題はないわけです。
なのになぜ、消費者金融の金利が高いのか?という理由をこのトピックから説明していきたいと思います。
まずの1つ目の理由は、「リスク回避」です。
私たちは、何かしらに対して常にといってもいいほど、「リスクヘッジ」をしています。リスクヘッジと書くと非常に高度な印象を受ける方もいるかもしれませんが、
「明日は雨が降るかもしれないから折り畳み傘をカバンに入れておこう」
「頭痛になりやすいから頭痛薬を持ち歩いておこう」
といった「トラブルに対しての備え」はみなさん日常的に行っているのではないでしょうか。
それと同じように、消費者金融も金利を高く設定することで、実は「リスク回避」を行っているんです。
消費者金融のリスクは「貸し倒れ」
本来、消費者金融でお金を借りた場合、当然ですが借りたお金を返さなければなりません。
しかしながら、一定の人は借りたお金を返すことが出来なかったり、お金を返せたとしてもその額が少なかったり、半年間で返済出来る金額を1年、2年かけてじゃないと返済出来ないということもあります。
消費者金融がどうやって利益を得ているかといいますと、貸したお金につけた金利による「利息」です。
逆に言えば、お金が返ってこないと利息を得ることが出来ないため、利益を得ることが出来ないですよね。
消費者金融は一定の層いる「貸し倒れ」、つまりお金を借りただけで返済しない人のリスクを回避したいと考えています。
例えば低金利でお金を貸していた場合、貸し倒れの層の数を考えると利益を得られず、商売として成り立たなくなってしまう可能性が十分にあります。
じゃあどうすればいのでしょうか?答えは簡単で、「真面目に返済してくれる人から、貸し倒れする層の分も返済してもらう」ことです。
そうして算出された数字(多少は盛っている可能性もありますが)が、消費者金融に多い最高金利「18.0%」なのでしょう。
真面目に返済するのが当たり前ですので、きちんと利用している人からすれば腹立たしい話ではありますが、消費者金融の金利が高い理由の1つは「返済してくれない人の分も返済してくれる人から回収するためのリスク管理」というわけなんですね。
どうしてそんなに消費者金融は「リスクが高い」のか?
それでは、どうしてそんなに消費者金融は「リスクが高い」のか。その点に関してもう少し説明したいと思います。
みなさんが持っている消費者金融のイメージは
- 銀行系カードローンの審査に落ちた人でも借りられる
- アルバイトやパートでも借りられる
- 担保や保証人が必要ない
というものではないでしょうか。
確かにその通りなのですが、よく考えてみると
- 他のところでお金を貸せないといった人でも借りることが出来て
- 収入が低めな人でも利用することが出来て
- しかも担保や保証人が必要なし
って、かなりリスキーな印象を受けませんか?
もちろんお金を借りられたとしても数万円程度かもしれませんが、それでも「返済出来なかったら代わりにコレをもらいます」ということも、「返済出来なかったら保証人に代わりに返済してもらいます」という取り決めもありません。
カードローンはいわゆる「信用貸し」です。その人の収入などを見て「貸しても大丈夫かどうか」を判断するため、やはりリスクは高いと言えるのでしょう。
銀行で借りることとなる「住宅ローン」の場合は、その土地や建物の権利書を提出する必要がありますし、担保(その土地や建物)の設定、保証人の設定など、返済出来なければ代わりに回収するものや、返済してくれる人を設定します。
さらに、病気やケガ、返済中の死亡などの不幸があっても団信保険に入りますので貸したお金を回収出来ない、ということがありません。
「信用」だけで貸すのではなく、きちんと担保などのリスクヘッジを行った上でお金を貸すため、かなり金利が低くなるんですよね。
審査が早い分、貸し倒れリスクも上がる
また、消費者金融は利用できるかどうか判断するための「審査」が早いことも金利が高い理由として含まれていると考えられます。
審査に1日2日かけて、じっくりと調べれば「この人は本当に貸したお金を返してくれるか」を判断することが出来るでしょう。
しかし、審査時間が20分~30分、長くても1時間程度で終わるような現状では、そこまでしっかりと判断することは難しいと言えます。
そのため、審査で可決を出した人の中には「実は返済出来ない可能性が高い人」が一定数含まれるリスクをここでも抱えています。
ここまで見てくると、金利が高いのは仕方ないのかな…とも思えてきてしまいますね。
理由2:消費者金融は銀行から資金を調達しているため
理由の2つ目は「資金の調達方法」です。
お金を貸す、ということは、それだけの手持ちが会社(消費者金融)にある必要があります。
しかし、それはどこから出ているのか?…あまり考えたことはないですよね。
利息にて利益を得ているのですから、その分を貸すお金に回すことはある程度想像はつきますが、実は消費者金融はそれ以外のところからも資金の調達をしているんです。
消費者金融の資金調達先は「銀行」
どこからお金を借りているのかというと、当然ながら「銀行」です。
お金を借りる=銀行!となんとも安易ですが、そのとおりなので仕方ありません(笑)。
実は、お金を貸す業務を行っている消費者金融も、銀行から「貸すためのお金」を融資してもらっています。
お金を借りるということは、当然ですが返済しなければなりません。これは消費者金融からお金を借りている利用者にとっても同じことです。
例えば消費者金融が銀行から金利3%でお金を借りているとすれば、その分は自分達が貸す際に上乗せしなければお金を借りた意味がありませんよね。
前のトピックにて「貸し倒れのリスク分を金利に上乗せしている」ことについて説明させていただきましたが、実はさらにそれに加えて「資金を調達した際の金利分も上乗せしている」ということが言えるでしょう。
大手の消費者金融の場合、昔は違いましたが今は銀行のグループとなっていることもありますので、そのようなところであれば資金調達の金利は多少優遇されているのでは?と想像できます。
しかし、銀行の子会社やグループ会社ではない場合、大手であっても、もっと規模が小さいところであっても銀行から資金を調達しなければならない点は同じです。その分は金利に反映されているといってもいいでしょう。
銀行は預金による「自己資金」が豊富なのもポイント
銀行から資金提供を受けなければならない消費者金融に対して、銀行や信用金庫といった「預金業務」を行っている金融機関は、顧客(口座を開設して預金している人)の預金を運用して資産を増やしていっています。
つまり、自己資金が豊富にあるわけですね。
そのため銀行系のカードローンはわざわざ資金を調達する必要はなく、自分たちだけでやっていけますので「借りた分の金利を上乗せする」という必要が全くありません。
それが金利にも反映されている、と言っていいでしょう。
少しでも低い金利で借りるために気をつけるべきポイントは?
ここまで、消費者金融の金利が高い理由について「2つ」挙げさせていただきました。
とはいえ「消費者金融の金利が高いのはわかった。けれど、少しでも利用するなら低い金利で使いたいんだけど…」という方はとても多いでしょう。
正直、好き好んで高い金利で借りたい!と思う方はなかなかいないですよね。
そこで、最後のこのトピックでは、少しでも低金利で借りたい!という方のために、気をつけておきたい、知っておきたいポイントをご紹介します。
ポイント1:基本的に最高金利が低い商品を選ぶ
最初のポイントは、基本も基本。「最高金利が低い商品」を選ぶことです。
最終的にもっと金利が低くなる可能性もありますが、カードローンではとりあえず最初は最高金利が適用されるくらいの金額でしか借りられないことが多いです。
また、金利が下げられるとしても利用してから3ヶ月~6ヶ月は経過していないと利用限度額の増額などが行われない(審査対象にならない)ことが多いので、少しでも早く低金利で借りたい、と思うならやはり最高金利が低いカードローン商品を選ぶべきでしょう。
しかし、低金利である分審査は金利が高い商品に比べると厳しい傾向にある、と覚えておきましょう。
いくら低金利の商品に申し込んだとしても、審査に可決しなければ意味がありません!
ポイント2:条件が厳しい商品はその分金利が低い!
消費者金融は借りやすいからこそ金利が高い。その反対は、「借りにくければ金利が低い」となります。
それはバッチリとカードローンの法則?に当てはまり、利用条件が厳しい商品は、その分金利や限度額が優遇されていることがとても多いです。
例えば、消費者金融の「アイフル」は、間口の広い「キャッシングローン」と、条件が厳しいながらもその分金利が低い「ファーストプレミアム・カードローン」を提供しています。この2つの簡単な比較を表にまとめてみました。
キャッシングローン | ファーストプレミアム・カードローン | |
---|---|---|
利用条件 | ・満20歳以上 ・定期的な収入と返済能力がある |
・満23歳~59歳 ・一定以上の年収がある ・アイフルを初めて利用する |
限度額・金利 | 1000円~500万円 / 4.5%~18.0% | 100万円~500万円 / 4.5%~9.5% |
「ファーストプレミアム・カードローン」は年齢や一定以上の年収(推定300万円以上)が必要となりますが、その分低金利でお金を借りることが出来ます。
消費者金融の最高金利が18.0%程度ですから、約半分の金利で利用できると言えますよね。
条件が厳しければ、その分信頼度も高くなりますので低金利で利用できる可能性がぐっと高くなるんです。
ポイント3:優遇金利が利用できる商品を探そう!
ポイント3つ目は、「優遇金利」が利用できるカードローン商品を探してみることです。
優遇金利とは、「一定の条件を満たすことで下げてもらえる(優遇してもらえる)金利」ということ。
残念ながら消費者金融のカードローンではこのようなシステムは知らないのですが(もしかしたらあるかもしれません)、銀行系のカードローンであればそんなに珍しいものではありません。
大手であれば「みずほ銀行カードローン」や「三井住友銀行カードローン」は「その銀行で住宅ローンを利用中(返済中)」という条件を満たしていたら、金利優遇を受けることが出来ます。
とはいえ、住宅ローンは簡単に利用できるものでもないため、条件としてはかなり厳しいと言わざるを得ません。
しかし中にはもっと簡単な条件で金利優遇を受けることが可能な商品もあるんです!
「東京都民銀行」という地方銀行のカードローン商品「パーソナルカードローン」は、利用限度額が30万円・50万円・100万円の3種類で、適用金利が「9.8%」ともともとかなり低い設定なのも驚きですが、さらにここから金利が最高で「2.0%」も優遇されます。
つまり、最高まで優遇を受けると「7.8%」で借りられるわけですね。
それだけ優遇されるなんて、さぞかし厳しい条件なのでは?と考えてしまいますが、そんなことはありません。
- 5大公共料金(電気・ガス・水道・電話・NHK受信料)のうち3種以上を東京都民銀行で自動支払にしている
- 給料または年金の自動受取口座を東京都民銀行に指定している
- 積立定期預金または財形預金を東京都民銀行で行っている
- 東京都民銀行のクレジットカードを保有している
以上の4つの条件を1つ満たすたびに、「0.5%」の金利優遇を受けることが出来ます。合計で2.0%となるわけですね。
注意点としては、契約時に上記の条件を満たしていないとダメ、ということです。契約後に受取口座を変えても優遇の対象となりません。また、半年に1回ごとの見直しがありますから、契約時に口座を変えてすぐ戻す、というのもオススメしません。
このような金利優遇を受けられるカードローンは地方の金融機関に多いので、普段地元の金融機関を利用している方は実はチャンスかもしれません!
消費者金融の金利が高いのは理由があった。その上で判断を!
消費者金融の金利が高いのは、リスクの回避と資金の調達という2つの理由がありました。
金利が高いところは使いづらい、できれば使いたくないという気持ちになりますが、その分審査が早かったり、即日融資してくれたり、無利息期間があったりと利便性やサービス面でカバーしているイメージがあります。
しかし金利が高いからダメ、と一概に言うことは出来ません。
他ではお金を借りることができなかった人でも、消費者金融であればお金を借りられる、といった「受け皿」になっている部分もあるからです。
いくら金欠でお金が必要であっても、いくら低金利のカードローンがあったとしても、自分が利用できなければそれは「そんな商品はない」のと同じです。
多少金利が高くてもお金を借りやすい消費者金融を選ぶか、条件や審査が厳しくても金利が低い他のカードローンを選ぶか。
どちらがいいかは、自身がどうお金を借りたいか、より確実にお金を借りたいかどうかによるでしょう。
一長一短ありますので、自分にとってメリットがある商品を選びましょう。
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